労働時間について―相談事例ー

最近の労働相談や団体交渉から、労働時間や賃金の問題を考えてみたいと思います。

  • 労働時間では、制服の着替え時間の問題があります。相談時には、家具販売大手イケア・ジャパンが勤怠システムへの打刻前に制服に着替えておくよう指示していたが、労働組合の指摘を受けた後に賃金の支給を始めたと報じられたころです。病院の外来クラークを業務受託した会社のパートタイム労働者3名は入社以来、病院から貸与された制服を病院内で着替えていたのですがこの時間帯の賃金は一切支払いしていませんでした。団体交渉継続中ですが、一定期間内の支払いは認めています。
  • 専門商社で働く営業社員は、就業時間前の朝の定例化営業会議に毎回参加していましたが、賃金を一切受けっとっていません。団体交渉を通じ、会議参加者全員に支払われるようになりました。
  • これ以外にも、残業代は残業時間が30分に満たない場合は切り捨てる(残業代は1分単位で請求できます)とか、上長が不在で指示がないとして残業の実態を認めず支払わないケースなどの相談もありました。

36協定で「投票、選挙等の方法による手続きにより選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでない」者が当事者として、協定すべき事項を会社と締結しますが、周知されていなかったり締結されていない(従業員数の多少に関わらず締結及び届出が必要)のに残業を指示するなど悪質なケースもありました。

*「残業」というと、会社ごとの「所定労働時間」(いわゆる「定時」)を超える労働時間のことを指すことが多いのですが、割増賃金の対象となる法律上の「時間外労働」は、それとは異なります。

  • 地域労組こぶしには、26年間近くの相談活動や団体交渉で豊富な経験や知識があります。

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